「川崎球場がなくなる」
そのニュースは、突然やってきました。
私がロッテに出会ったのはオリオンズ最終年、91年です。もちろん当時の本拠地は川崎球場でした。「91年しか知らないなら、川崎に愛着はないんじゃない?」と言う方もいるでしょうが、とんでもない。もちろん行ったことはありませんし「古い、狭い、客がいない」というイメージしか知りませんでした。しかし解体のニュースを聞いたときは、居ても立ってもいられなくなりました。
今のマリーンズの基礎となったオリオンズの熱戦の舞台(そういえば「川崎劇場」というフレーズもありました)川崎球場には、閉場が決まる前から「一度行ってみたいな」と少し思っていました。そこに閉場のニュースが・・・。もう「行きたい」ではなく「行かなくては」という気持ちになりました。川崎球場に引き寄せられるような感じでした。皮肉にも「初めての川崎球場」は、閉場直前に実現することになりました。
川崎駅を降りると、ロッテや大洋のグッズを身につけた人があふれていました。さすがの人に「チケット完売で入場不能」も覚悟していましたが、なんとか内野席券を確保できました。そして長い行列に並び、寂れた入場ゲートをくぐり、スタンドに上がると、そこには人工芝の鮮やかな緑色が広がっていました。
不思議な感じでした。「懐かしさ」というものを感じました。初めて見た、初めて立った場所なのに、何度も、何十度も観戦してきたような。紺色のハッピを着たロッテ応援団と一緒に、ライトスタンドで応援してきたような。そして落合、有藤、リー兄弟、村田兆治らが、すぐそこでプレーしていたような。
川崎球場が多くの人に愛された理由がわかったような気がします。
いくらグラウンドに人工芝が敷かれようと、いくらスコアボードが電光式になろうと、そこにあるものはオリオンズ時代から変わらない「暖かさ」なのでしょう。

千葉ロッテ 22−6 横浜